ガゼッタ・ タナカ・ デロ・ スポルト

昨日は卒部式でした。それとラクの送別会もありました。

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 六年生は昨日卒業したわけですが、ガゼッタ式の採点とともに彼らとの思い出を書いておきたいと思います。

アサト 7.5
 僕は選手がルール違反するとグランドの隅に立たせます。そして、謝りに来れば、また練習に参加させます。アサトは僕に立たされると、数秒後には謝りに来ました。反省しているのか、いないのかはわかりませんが、そういうところが好きでした。ただ、最近は僕に立たされても、なかなか謝りに来ません。考え事をしているんでしょうか。本気で怒っていたりもします。立たされても、何食わぬ顔で謝りに来てくれた方が僕は許しやすかったんですけど、大人になったということなんでしょうか。そんなアサトにはこの言葉を送りたいと思います。”コーチに立たされたくらいでムキになるなバーカ”

アンナ 4.5
 はじめて会ったとき、アンナはこの学年一の問題児でした。木曜の練習中に注意するとすぐ居なくなりました。そして、監督や保護者が来る頃になると、戻ってきました。ある意味で、冷静だったんだと思います(笑 でも、練習中に居なくなることが、少しずつ減ってきました。我慢できるようになったんだと思います。こういう変化が僕を喜ばしてくれます。でも、今でもアンナはこの学年一の問題児には変わりはないんです。

ガクト 6.5
 昨日はチーム一の癒し系と紹介されていました。そんなガクトが市長杯で決めたゴールこそ、僕がこの学年を見てきた中で最高のゴールでした。その試合のテーマはマイナスでセンタリングを受けることでした。スギが右サイドをドリブルで突破しています。僕はベンチから「マイナス」と叫びます。何人かがバックステップをして、フリーになりかけます。しかし、相手もそれを見てマークしようと必死です。その瞬間、GKとDFの間にスペースが生まれます。スギはマイナスを意識しつつ、そのスペースにシュート性のボールを蹴り込みます。そこにガクトが走り込んでスライディングシュート!!!ゴーーール!!!凄すぎません?笑

ジント 6.5
 最近のジントの試合での貢献度はかなり上がっています。特に相手との駆け引きを楽しんでいるのがよくわかります。ただ、試合で活躍しないとしても僕はジントのことを頼りにしていました。去年の冬、練習終わりの後片付けを全員がダラダラやっていたので、罰として走らせることにしました。ただ、ダラダラしていたことを名乗り出たのはジントだけでした。5分でキツそうにしてました。でも、まだ走らせました。10分が経つ頃にはフラフラしていました。でも、まだ走らせました。すると、レンタが僕に「自分もサボっていたので走ります」と言って走り出しました。その後、結局ハルヤとタイキも走りました。ジントには人を動かす力があるようです。

スギ 7.5
 僕は滅多なことでは怒りません。疲れるからです。同じ理由で、大声もあまり出さないようにしています。そんな僕ですが、スギには大声で怒りました。フテクサレていたからです。はじめは立たせたり、試合に来ないように言ったりしましたが、効き目がなく、フテクサレます。チームに悪影響しか与えなかったので、大声で怒りました。でも、なかなか引いてくれません。だから、また、大声で怒りました。こっちはヘトヘトで声が裏返ってるんですけど、まだ、スギは食い下がります。ビックリするほど頑固でした。実はこの時、何で怒っていたのか、僕はイマイチ整理できていませんでした。でも、時には問答無用な態度も必要なわけで、最終的には僕が勝ったということにしました(笑)この出来事は僕がこの学年と関わったなかでは一番の指導だったと思っています。その証拠に今、スギと僕はそこそこ仲良しなんです。

シュウト 7.5
 いいキャプテンのようで、ダメなキャプテンのようで、シュッとしたキャプテンではないのは確かです。試合に行くと誰よりも気を使っているのはシュウトだったように思います。ただ、普通の練習中はすぐ怒るし、絡んでくるしめんどくさいです。たぶん、そんなに慕われてはないです。でも、頼りにはなります。二年後、シュウトがサッカー部のキャプテンをやるのかどうかが楽しみです。

 何度か読み返してみたんですけど、シュウトの文字数が少ないですね。13人の思い出を書いているとだんだん疲れてきて、最後に残していたシュウトがこんな感じになってしまいました(笑
なのでこっそり足してみたいと思います。
 先日、監督が上手くなるためのコツを上級生にレクチャーしていました。その日の練習にはシュウトとモミイとハルヤが顔を出していました。彼らは端の方で遊んでいたんですけど、ハルヤは端の方で聞きはじめました。モミイは監督に背を向けて見学中のチカトと話し込んでいました(笑 12歳の僕だったら、ハルヤと同じで端から聞いたと思います。シュウトは監督の側までやってきて話を聞いていました。
 去年の4月頃、健康の森でシュウトを立たせました。しばらくすると謝りに来たんですけど、僕は許しませんでした。そして、また謝りに来たんですけど、僕は許しませんでした。そのあとのシュウトはこの世の終わりみたいな顔をして立っていました。
 こんなことを時々、やってしまいます。理由は、僕に許してもらえなくても、この世の終わりは来ないってことに気付いてもらいたいからです。そして、誰に何を言われようと行動したいように行動してほしいと思うからです。立たされても、練習したいなら謝りに来ればいいし、たとえ許してもらえなくても、練習したいなら、何回でも謝りに来ればいいと思うんです。ただ、やりたいようにやるのは難しくて、怖かったり、恥ずかしかったりします。だから、小学生がこんな仕打ちに平常心を保てるわけがないとも思います。だから、この作戦は僕としても細心の注意を払って実行しますので、保護者の皆さん、許して下さい。
 話を戻します。おそらく上手くなりたいと思っているシュウトが、監督の話を聞くために近くにやってくるのは、恥ずかしかったんじゃないでしょうか。一年前のシュウトなら、ハルヤのように恥ずかしくて端から聞くのがやっとだったと思います。でも、今のシュウトはその恥ずかしさに打ち克ったから、監督の近くで話を聞くことができた、と僕は勝手に思っていました。そして、こういうのを”根性”というと辞書に書いてあったように思います。
 シュウトのお尻はマンドリルみたいに強いです。でも、シュウトの心はもっと強いと思います。何が言いたいかというと、シュウトはかなり凄いということです。このくらい書けば許してもらえるかな。

 三年間で、僕は運が良いことに、子どもたちの凄いところを沢山見させてもらいました。ありがとうございました。

ソウタ 5
 僕のことをよくハゲコーチと呼びます。なので1点減点しています。ソウタは線が細くて、まともに勝負しても活躍できません。それは本人が一番よくわかっていることだと思います。ただ、負けん気はそれなりにあるようで、自分で自分の生きる道を探し出しました。それはポストプレーです。ソウタが密集地帯でボールを受けると誰も気づいていない場所にダイレクトでハタキます。相手にするとかなり厄介な選手になりました。細いし、足も速くないし、僕のことをハゲコーチと呼ぶんですけど、たくましく成長中です。

ハルヤ 7
 将来、ハルヤはイケメンになるだろうなと思っています。顔がいいのはもちろんですが、何よりセンスがいいです。キャンプの出し物でサングラスをして手品を披露している姿はかなりイケていました。試合中にボールを持ったとき、何かいいプレーをするたびに、「ふぅ」と一休みしている姿もイケていました(本当なら、休まずもう一度パスを受ける動きとかしてもらいたいんですけど)。一方で、ボールを奪うことになると鬼のようにえげつなくなります。冷静と情熱を併せ持つハルヤはきっとイケメンになると思います。

マチカ 6.5
 マチカを見ていてキックがイマイチだなぁとか、もう少し積極性があればなぁと思うことがあります。でも、最近ミニゲームをやっていて、「はぁ楽しい」って言ってました。それを聞いて嬉しく思うのと同時に少し反省しました。一人の小学生がサッカーをして楽しんでいて、その瞬間に立ち会えているなら、何も言うことは無いはずなんですよね。横から口出しして楽しさを半減させたら、指導者として本末転倒もいいところです。昨日はスピーチで大泣きしていました。僕はもらい泣きしてしまったんですけど、マチカのこの素直な感情表現は僕にいろいろなことを教えてくれました。

モミイ 7.5  ナルミ 6
 正義の味方みたいな存在だと思います。しかし正義を貫こうとすると必ず、それを邪魔しようとする敵が現れます。桂川SCも例外ではありません。モミイの前にはスギが立ちはだかり、アンナが立ちはだかり、僕が立ちはだかることもあります。ある時、リョウキが立ちはだかりました。理由は分かりませんが、モミイが負けたようで、泣いていました。正義の味方も時には負けます。そして、モミイが悔しそうに泣いている横でナルミが笑いを必死に堪えていました。恐らく、僕が思うに桂川SCでの悪事のほとんどはナルミが裏で糸を引いています。

リュウト 6.5 リョウキ7
 リュウトとリョウキは仲が悪いんです。誰を好きになるのかはそれぞれの自由です。そして、誰を嫌いになるのかも同じくらいそれぞれの自由です。だから、リュウトとリョウキが仲が悪くても僕は構いません。ただ、だからといって練習の邪魔をしたら僕は許しません。二人一組の練習メニューでリュウトとリョウキがペアを組みました。ケンカをし始めたので立たせました。そのあと二人とも謝りに来たわけですが、リュウトはリョウキとのペアでうまくやっていくと言いました。リョウキは反省はするけど、リュウトとペアはくみたくないと言いました。だから、2人はペアがつくれないので練習できませんでした。これはこれでOKです。

レンタ 7.5
二週間ほど前、レンタの練習中の態度がよくありませんでした。注意すると、すぐグズります。アサトとチカトがケンカしていたので、家に帰らせました。そしたら、レンタはスギとユウスケの三人で僕に無断で彼らを追いかけて行ったみたいです。他にもミニゲームのチーム分けをしたら、「このチームじゃ勝てん」と言って地面に座り込みシクシク泣きはじめました(笑 チームメイトに対して失礼すぎます。 考えてみると、春になるとレンタは荒れてきます。去年も試合に出れないとグズッていました。その時はもっとグズッていたスギを怒るとレンタも落ち着いてきました。この学年をみながら、荒れたり、調子に乗るのは成長していることのサインだと思うようになりました。去年の場合、上級生の試合に付いていって、上手くなって帰ってきた頃でした。今回も、最近はチームの中心として技術も運動量も物凄い勢いで成長しています。そして、調子に乗って荒れるんだと思います。ただ、荒れ方が激しいのと同じくらい優しくもあるんです。だって、帰らせたアサトは次の練習で戻ってくるんですよ。それなのに、ここで帰らせたら、一生会えなくなるとでも言うように必死に連れ戻そうとします。仲間思いにもほどがあります。シクシク泣いていたのも、スギとシュウトとモミイを三年生の試合に参加させていて、それを寂しそうに見ていました。本当は彼らと一緒にサッカーがしたくて泣いてしまったんだと思います。友達思いなのはいいことですが、レンタと付き合うのは大変です。

シュウトコーチ 10
 唯一の満点です。まだまだ彼らには負ける気がしません。それでは、六年生のみなさん、中学生になっても、自分たちらしく楽しく中学生生活を満喫してください。応援しています。


【特典映像】
http://youtu.be/n0AF_Kmte9U